(英文・中国語訳文)「平家物語」祇王・平家一門、日本国中の富を支配し美しい舞姫・仏御前が清盛の前に推参・天龍寺の僧・義轍・自筆11B 2024

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商品情報

出品した自筆は、京都・五山の一つで元禄時代の京都・嵯峨・天龍寺の僧・義轍(ぎてつ)の自筆「平家物語」です。
「義轍」は、すぐれた草書を書く能書家をさす「草聖(そうせい)」として知られております。
「義轍」の文字は、文字の美の極致としてアメリカやヨーロッパにおいて高く評価されております。

出品した商品は、京都・天龍寺の僧・義轍(ぎてつ)の自筆「平家物語」の古切(断簡)です。

古い時代の「平家物語」を伝える資料として特に欧米において高く評価されております。

自筆下は、不昧公と正室・方子の娘である幾千姫(きちひめ)「玉映」の印です。

自筆原本の左右の凹凸部分は、ストロボの影響によるものです。

出品した商品は、京都・天龍寺(世界遺産)の僧、義轍・自筆
「平家物語」のうち、平家の繁栄を記した「祇王」の自筆です。


「平家物語」平家一門の栄華のひとつとして描かれる舞姫「祇王」について記している。

「平家物語」は平家一門の栄華と滅亡を描いた一大叙事文学として有名です。平安末期の貴族政治から武家政治への以降期に、起こった源氏と平家をめぐる全国的内乱を記したものです。登場人物の大半が実在の人物で、皇族や貴族、武士、僧侶、あるいは寺院の衆徒や市井の白拍子まで、貴賤を問わず幅広く取り上げている。和文と漢文を融合した「和漢混淆文」という独特の文体で語られており、武士や庶民の日常語や方言が豊富に取り入れている。 「平家物語」自筆が、海外において展示され、高い評価を得ているのは、古い日本を知るうえで貴重とされていることが主な理由です。

「額縁入自筆原本」



「自筆原本」



出品した自筆の「原文の読み下し文」は次の通りです。

《祇王(ぎおう)》

《きはあらんつる所へ》・・・・叶(かな)ふまじきそ。とうとう罷(まかり)出(いで)よ。」
とぞの給ひける。佛御前はすげなういはれたてまつて、已にいでんとしけるを、
祇王、入道殿に申けるは「あそび者の推參は常の習でこそ候へ。
其上、年もいまだをさなう候ふなるが、たまたま思たてまゐりて候を、
すげなう仰られてかへさせ給はん事こそ不便なれ。いかばかりはづかしう
かたはらいたくも候ふらむ。わがたてし道なれば、人の上ともおぼえず。
たとひ舞を御覽じ、歌をきこしめさずとも、御對面ばかりさぶらうてかへさせ給ひたらば、
ありがたき御情でこそ候はんずれ。たゞ理をまげて、めしかへして御對面さぶらへ。」
と申ければ、入道、「いでいで、我御前があまりにいふ事なれば、見參してかへさむ。」
とてつかひを立てぞめされける。
仏御前はすけなういはれ奉(たてまつ)りて車に乘て
すて(既)に出(いで)んとしけるか、召(め)さ・・・・《れて歸(かへ)り參(まい)りたり。》
(文責・出品者)



出品した自筆の「原文の現代語訳文」は次の通りです。

《祇王(ぎおう)》

《平家一門、日本国中の富を支配し美しい舞姫・仏御前が清盛の前に推参》

《(平清盛)「なんということだ、そのような舞姫は、人の招きに従って参るものだ。
すぐに推参するということがあるものか。そのうえ祇王(ぎおう)が居る所へは、
神といおうと仏といおうと、》・・・・・・参ることは許されぬぞ。さっさと退出せよ」
と仰せられた。
舞姫の仏御前はそっけなく入道から言われ申して、ほとんど退出しようとしていたが、
それを聞いて祇王が入道(平清盛)殿に申すには、
「舞姫の推参は、いつもよくあることです。
そのうえ年もまだ若いそうですが、たまたま思いたって参ったのですのに、
そっけなくおっしゃられてお帰しになるのは、まことにかわいそうです。
どれほど気恥ずかしく、また気の毒な事でもございましょう。
白拍子は私が生計を立ててきた道ですから、人の事とも思われません。
たとえ舞を御覧にならず、歌をお聞きにならないでも、ご対面だけでもなさって、
お帰しになったなら、このうえないお情けでございましょう。
ただ道理をまげて、仏御前を召し返してご対面ください」
と申したので、入道(平清盛)は、
(平清盛)「どれどれ、ではお前があんまり言う事だから、会って帰そう」
といって、使いをたてて舞姫の仏御前をお召しになった。
仏御前はすげなく言われて、車に乗ってほとんど邸を出ようとしていたが、
召さ・・・・・《れて戻って来た。》

(出典「平家物語」小学館)

(2)・自筆の「英訳文」は次の通りです。

《 Gio(祇王)》
Hotoke, bluntly dismissed, was leaving when Gi addressed her lord and master:
“It is normal for any dancer to present herself uninvited.
Besides, they say she is only a girl.
Now that she has come so bravely, you are too harsh to order her gone.
I would feel sorrow and shame for her!
Her profession is mine. I understand.
You need not have her dance or sing,
but it would simply be a kindnesst least to see her before she goes.
Do please, this once, call her back.”
“Fine, fine,” Kiyomori replied.
“I’ll get her back and ask her in, if you feel that strongly about it.”
He sent someone after her.
Hotoke Gozen was in her carriage, leaving after that sharp rebuff,
when his summons reached her. She turned back and entered.

英語訳文(英文)の出典:『The Tale of Heike』
ROYALL TYLER イギリス出身・オーストラリア国立大学、ハーバード大学教授を歴任


(2)・自筆の「日本語訳」は次の通りです。

《祗王(祇王)》
舞妓当候人,方可上,有不召自来之理?
况且祗王就住于此,神也好佛也,都不准来,速速去!
”阿佛受到的冷遇,心灰意凉,正要身的同,祗王向入道言道:“
舞妓自荐,其是本行常有的通。
况且阿佛年尚幼,不假思索便府拜会,也属情有可原。
如果就冷酷地回,我有点于心不忍。
因我也是中人,感同身受,心有戚戚。
所以大人来, 一面。
即使不舞不听曲,只恩一,也会不感激的。
”入道相国道:“既如此,那便上一,而后再叫回去不。”
遂命人去前阿佛。此阿佛已坐上牛准回去,
第二次一到,立刻掉入府。

日本訳文の出典:『平家物』
王新禧・日本最初の「平家物語」翻訳者

日本語の一部の難字がシステムの関係で「欠字」で表記されない場合があります。落札後に欠字を補った完全原稿の日本語を出力し添付いたします。

「出品商品に関する疎明資料(落款)」


上の写真右から1番目は、「平家物語」巻一の目録。2番目は目録の下部で上から京都・天龍寺の僧・義轍の落款、2番目は、出雲藩主・松平治郷(不昧公)と正室・方の娘・幾千姫(玉映)の落款、3段目は仙台藩・伊達家の家紋(竹に雀)。右から3番目の左の上下の2つの印は、仙台藩第八代藩主・伊達斉村の正室・興姫(おきひめ・誠子)の落款。右が仙台藩医・木村寿禎の落款。冒頭の「祇園精舎」の欠落は、原本自体の「欠落」と記録されている。 江戸時代の火災による消失で、義轍が「平家物語」を書く際には欠落し入手できなかったものである。

「自筆の画像断層写真」



(断層画像写真番号 11―B)
上の写真の印は幾千姫(玉映)の落款。

「松江藩主の娘・幾千姫(玉映)、仙台藩主正室・興姫、額縁裏面表記ラベルついて」



上段の写真は、1段目は出雲松江藩主の正室・方子と娘・幾千姫(玉映)の書棚
2段目は、出雲松江藩主の正室・方子と娘・幾千姫(玉映)が住んだ松江藩江戸邸(現在・衆参両院議長公邸)
3段目は、仙台藩第八代藩主・伊達斉村の正室・興姫の名簿(仙台市立博物館)
4段目の写真は「額縁裏面」に表記されるラベル


「筆者・義轍が僧として勤めた現在の天龍寺(世界遺産)」




オークションの収益は、所蔵品の「掛軸」等の補修費に充当されます。



天龍寺の僧・義轍・自筆「平家物語」を出品 商品説明 1・出品した「平家物語」は、京都・五山の一つで元禄時代の京都・嵯峨・天龍寺の僧・義轍(ぎてつ)の自筆「平家物語」の旧・所蔵主は、出雲松江藩主・松平治郷(不昧公)の正室・方子(よりこ)から娘の幾千姫(玉映)に伝わり、方子の生家である仙台藩から同藩の藩医・木村寿禎に伝来していたものであるが、一方、方子が嫁入道具として仙台藩の藩主の正室の書いた「源氏物語」を持参した説なども挙げられている。天龍寺の僧・義轍・自筆「平家物語」の自筆切(断簡)です。「平家物語」には、自筆の随所に、義轍自身の落款も見えます。

2・草書と草聖について
グプタ草書の元になる草書体は、日本・唐の時代に「張旭」が始めたものです。張旭(658~747)は、かつて公孫大娘という舞姫による剣器の舞を目にし、草書の筆法を悟ったとされている。日本の古代資料には、「張旭の草書 筆法を得て、後ち崔・顔真卿に伝ふ。旭の嘗て曰く、『始め吾 公主・担夫を見て路を争ひ、而して筆法の意を得る。のち、公孫氏の剣器を舞ふを見て、而して其の神を得る』と記されている。後年、杜甫は公孫大娘の弟子の李十二娘による舞を目にし、「観公孫大娘弟子舞剣器行」と題した詩に詠んでいる。その序によると、「昔者、呉人・張旭、草書の書帖を善くし、数々嘗て県に於て公孫大娘の西河の剣器を舞ふを見、此れより草書長進す」と記している。
グプタ草書の元は「法華経」で唐の時代に草書『法華経』が記され、日本でも遣唐使によって草書文が持ち込まれ、平安時代には流麗な「草書」の達人として名をなした藤原佐理は、三跡の一に数えられた。

3・遣唐使の途絶により、日本での草書は独自の発達を遂げたが、クプタ草書については、あまり残存していない。平清盛の平家納経での知られるように、楷書・行書による書が多くなったのがその主な理由である。 義轍の草書は、これまで日本国内に残る「平家物語」とは趣を異にしているため比較する文献がなく、これまで借り見られることがなかったが、アメリカでの「断層画像写真解析」や「筆跡・筆法・書風」などのコンピューターによる解析の結果、グプタ草書に近い筆法であることが判明したものです。

4・自筆の筆者の識別方法について
国内における鑑定人は、自筆の筆者を識別するために、個々の文字ごとに字画線の交叉する位置や角度や位置など、組み合わせられた字画線間に見られる関係性によって、個人癖の特徴を見出して識別する方法、また個々の文字における、画線の長辺、湾曲度、直線性や断続の 一方、欧米では一般的には、「筆者識別(Handwriting Analysis)」と呼ばれる文字解析をコンピューターの数値によって解析しております。数値解析は、文字の筆順に従いX、Y座標を読み、そのX、Y座標をコンピューターへ入力後、コンピューターによって多変量解析を行うものです。解析の基準となるのが「ドーバート基準」で、アメリカでは日本国内の画像データを自動的に収集、自筆の分析に際し、数値データをコンピューターで自動的に解析し「極似」した画像データによって筆者を識別する研究が進んでおります。

原本の大きさ タテ26.4センチ ヨコ16.3センチ。額縁の大きさは、タテ40.0センチ ヨコ30.0センチ。額縁は新品です。
稀少価値 1・自筆の希少価値
出品した「平家物語」は、江戸時代・元禄期の京都天龍寺の僧・義轍の自筆です。

2・日本の「平家物語」は、古来、楷書や隷書風の楷書で記されておりますが、出品した自筆は草書よりさらに丸みを帯びたクプタ草書風の草書体です。 出品した自筆の由来について、京都・五山の一つである京都・天龍寺所蔵のグプタ草書風の「平家物語」を同寺の僧であった義轍が臨書したものと推定されております。
ただし、天龍寺は何度も火災に幾度もあい、近くは元治元年(1864)薩摩兵の焼討ちで全山焼失し、寺史の記録がないため詳細は不明です。
古い時代の「平家物語」を伝える資料として特に欧米において高く評価されております。

3・筆者の義轍について 江戸時代に「三国志演義」が日本語に初めて翻訳されており、翻訳者は「湖南文山」でした。その後の研究により、「三国志演義」の翻訳者は、「天龍寺僧・義轍著・・・蓋義轍草創之、未成而逝、月堂継而成之(天龍寺の禅僧・義轍が着手し、彼の病没後に弟の月堂が完成させた)」という記録が発見され、「湖南文山」は、義轍と月堂の筆名であることもわかりました。
江戸時代の天龍寺は、朝鮮や日本との外交の最前線に人材を送り込んでおり、漢文に精通した人材が豊富で、古代の写本も入手し、「グプタ草書体」をまねた草書体「平家物語」を写していたものと考えられます。『三国志演義』の日本語訳は、元禄2年(1689年)に出版されているため、義轍・自筆「平家物語」は、それより以前の江戸時代初期に記されたものと推定されております。 自筆の断層画像写真 自筆の稀少価値は、文字の緻密さとその美しさにあります。上の「拡大断層写真」でわかる通り、和紙の上に墨の文字がくっきりと浮き上がるように美しい義轍の丸みを帯びた草書「平家物語」の文字が記されている。
出品している書の「断層(MRI)写真」の原板は、レントゲン写真と同じ新聞の半分ほどの大きさのフィルムです。落札後には、見やすいようにA4サイズの「光沢紙」に転写し交付いたします。肉眼では見ることのできない和紙の繊維の一本一本のミクロの世界を見ることができます。日本国内では医療用以外には見ることのできない書の「断層写真」です。
古切の書は、一旦表装を剥離し分析と鑑定検査のために「断層写真撮影」されている。撮影後、展示のために再表装をしている。掛軸や屏風にすることが可能なように、「Removable Paste(再剥離用糊)」を使用しているため、自筆の書に影響をあたえずに、容易に「剥離」することができるよう特殊な表装となっている。

HP 天龍寺の僧で、「草聖」と称された義轍の自筆「平家物語」の書を出品いたしました。出品以外の所蔵品を紹介した出品者のホームページ「源氏物語の世界」をご覧ください。

ツイッター「源氏物語の世界」 も合わせてご覧ください。


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